パワー半導体とは?
「パワー半導体」とは、電力の制御や変換を行う半導体の総称
パワー半導体の機能は?
パワー半導体の特徴
パワー半導体の特徴は、高電圧や大電流を取り扱えることです。
小さな電力から大きな電力までを供給することから、よく「筋肉」と例えられます。
一方、CPUやLSIといった集積回路は、小さな電力で演算や記憶を行う役割を持っていることから、電子機器の「頭脳」にたとえられています。
通常の半導体との違いが分かりやすい表現ですね。
パワー半導体の4つの機能
改めて、パワー半導体の性質は電力の制御や変換を行うというものです。それは具体的にはどのような役割を担っているのでしょうか。
以下4つの機能があります。
①コンバーター
コンバーターは、交流電源を直流電源に変換する機能です。
例えば、発電所から家庭のコンセントに届くのは交流電源のため、直流電源で動く電化製品は、コンバーターで電源を変換する必要があります。
②インバーター
インバーターは、直流電源を交流電源に変換する機能です。
電化製品によっては、モーターの回転速度の調節が必要なものがあります。交流電源のままでは変更が難しいため、コンバーターとインバーターを使用して、電源を変換することで、電圧と周波数の大きさを変えます。
③周波数変換
日本では、東西で周波数が異なります。東日本は50Hz、西日本は60Hzのため、どちらでも電化製品を使えるように、パワー半導体が使われています。
④レギュレーター
レギュレーターは、直流電圧の大きさを変更する機能です。
大きさを変更できるということは、電圧をコントロール=安定させることができるということになり、電化製品の直流電圧を安定させることによく用いられます。
身の回りのパワー半導体が使われている製品
産業機器、電気自動車、電車、5Gの基地局、太陽光発電など。
電気自動車のモーター駆動やバッテリーからの電源供給の制御などは、パワー半導体の働きによるものです。
電波を送信する基地局では、電波をエリア全域に飛ばすために、パワー半導体によって送信信号を増幅して電波を送り出しています。
パワー半導体の素材
パワー半導体の素材も通常の半導体と同じくシリコンが主流です。
しかし、パワー半導体においては「より高電圧、より大電流」に進化することが求められています。
そこで、近年ではそういった性質を持ち得る新素材の開発が進んでいます。
主な次世代パワー半導体材料
SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、Ga₂O₃(酸化ガリウム)、ダイヤモンド
いずれの素材も、シリコンと比較して高い絶縁耐圧性能あるとされ、これらの性能により、シリコンでは限界とされてきた高温環境下でも動作できると期待されています。
パワー半導体の主要メーカー
パワー半導体のシェアは、上位5社で世界全体の6割を占めています。
パワー半導体の世界シェア上位企業
インフォニオンテクノロジーズ、オンセミコンダクター、三菱電機、東芝、STマイクロエレクトロニクス
日本企業だと富士電機やロームがこれに追随しています。
韓国、中国といった国も、パワー半導体の分野ではなかなか台頭できていません。しかし中国では、日中貿易摩擦の影響を受けて、国内生産を強化する動きも見られています。
パワー半導体に似ている用語
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IT企業→ビジネスマッチングの会社で働く25歳。
リサーチ業務を通して、日々いろんな業界の基礎知識を吸収中。
初心者でもなんとなくわかった気になれる用語辞典を目指してます。