ボランタリークレジットとは?
ボランタリークレジットとは、NGOや企業、団体、個人などの民間が主導となったプロジェクトから発行されるカーボンクレジット。
ボランタリークレジットとカーボンクレジットとの違いは?
そもそもカーボンクレジットって何!?と思った方のために、一言でまとめますと、カーボンクレジットは「温室効果ガスの削減を頑張った企業と頑張りきれてない企業間で、削減量を売り買いできるようにした仕組み」です。
これだけだと分かりにくいかもしれないので、先にこちらの記事を読んでみることをお勧めします。
こちらの記事を読んでいただいた方、そして記事冒頭の「ボランタリークレジットとは?」を読んでいただいた字の通り、ボランタリークレジットは、国連や政府ではなく、民間団体が発行するクレジットです。
では、発行団体の違い以外には何も変わらないのでしょうか?
ボランタリークレジットのメリット
世界では、クレジットの中でも特にボランタリークレジットの活用が進んでいます。
調べてみると、以下2つのメリットがその要因だと分かりました。
①政策的制約がない
国連や政府が主導すると、どうしても「京都議定書に則らないといけない」「途上国の支援でいけない」など政策的な縛りが多く存在します。
一方、民間で発行されたクレジットは、そういった法的拘束力がないため、さまざまな場面で利用することができるようになっています。
②創出方法が豊富
温室効果ガス削減のための活動と言えば、太陽光発電や植林などがイメージしやすいと思います。
それ以外にも、多種多様な方法がボランタリークレジットでは用意されています。
例えば、世界で最も利用されている(炭素市場に関する国際的な動向)VCSには、以下11種類の創出方法があります。
エネルギー、工業プロセス、建設、輸送、廃棄物、工業、農業、森林、草地、湿地、家畜、家畜と糞尿
Verified Carbon Standard - Verra
使い勝手の良さがボランタリークレジットの活用が進んでいる理由のようですね。
ボランタリークレジットの種類・関連プレイヤー
先ほど紹介したVCSをはじめ、ボランタリークレジットには代表的なものがいくつかあります。
①VCS(Verified Carbon Standard)
VCSは、国際的なカーボンオフセット基準管理団体Verraによって開発・管理されているクレジットです。
ドイツの自動車メーカー、VolkswagenはVCSを利用して2050年までにカーボンニュートラルを達成すること宣言しています。(Volkswagen invests in climate protection projects to compensate for unavoidable CO2 emissions)
②GS(Gold Standard)
GSは、スイスのNGO団体Gold Standardが発行するクレジットです。
日本のテレビ局であるTBSは、GS認証を受けたニュージーランドの風力発電プロジェクトから生成されたクレジットを購入しています。
みなさん、ボランタリークレジットの仕組み、なんとなくわかってきたでしょうか?
そして、ここの文章をなんとなく読み進めてしまってないでしょうか?
「GS認証を受けたニュージーランドの風力発電プロジェクト」
分かりましたか?
VCSやGSはあくまで「仕組み・制度」で、「VCSを買う」とは言いません。
TBSが買うのは、GSによって温室効果ガス削減効果が認められた「プロジェクト」によって生まれた削減量(クレジット)です。
この違いを整理すると、ボランタリークレジット周りで活躍するプレイヤーが色々と見えてきました。
ボランタリークレジットの関連プレイヤー
まず、VCSやGSが認めた、温室効果ガス削減に参画する企業や団体は「デベロッパー」と呼ばれています。
そして、デベロッパーとバイヤー(企業)の間には、コンサルやクレジットの販売卸、販売プラットフォームを作っている「トレーダー・ブローカー」と呼ばれるプレイヤーがいます。
認可団体(VCS、GS)→デベロッパー→トレーダー・ブローカー→エンドユーザー(企業)の流れでクレジットは売買されていることがわかりました。
ボランタリークレジットを簡単にまとめると・・・
ざっくり理解できればニュースがもっと面白くなるかも!?
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IT企業→ビジネスマッチングの会社で働く25歳。
リサーチ業務を通して、日々いろんな業界の基礎知識を吸収中。
初心者でもなんとなくわかった気になれる用語辞典を目指してます。